チリイルカってご存知ですか?別名ハラジロイルカとも呼ばれ、南米チリの沿岸に生息しています。
イルカは鯨と合わせて世界に80種以上いると言われていますが、中でも生態がよくわかっていないのが、このチリイルカです。
チリイルカは背びれが小さくて丸いのが特徴で、その背びれは個体によって異なっています。そのため、背びれのデータを収集して記録すれば、その地域にチリイルカが何頭いるか推定できるのだそうです。
2016年、WWFではチリイルカが生息している地域において調査を行ない、少なくとも104頭の個体が生息していることを確認しました。また、河口や入江などの沿岸域が主な生息域であることもわかりました。
一方、河口や入江などの沿岸域は、漁業や養殖業などが行われており、こうした人間の活動が、チリイルカの生活にさまざまな影響を与えているのではないか、という懸念が浮かび上がってきました。
実際、チリイルカが漁網やサケ養殖場の獣害対策用ネットに絡まって命を落としているという事故が報告されており、野生生物に配慮した対策が求められています。
WWFでは引き続き調査を継続するとともに、新たな海洋保護区の設置や現在ある保護区の適切な管理のために、政府や企業に向けた働きかけを行なっていくとのことです。
詳しくは、WWFのホームページをご覧下さい。